ダンガンロンパ他二次創作ブログ。
ごった煮で姉妹とか男女とか愛。
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校門の陰からちらちらとピンク色の髪の毛が見え隠れしていて、それだけで響は嬉しくなって足を速める。下校するたくさんの生徒たちを驚いたように見ながら(、また驚いたように見られながら)、恐る恐る顔を出したファルセットが響を見て笑顔になった。胸の前で小さく手を振る、そこに一刻も早く飛び込みたくていつの間にかかかとが宙に浮く。ファルセット!思いきり飛び付いたにも関わらず、ファルセットは響の伸びやかなからだを苦もなく受け止めた。くるりと一回転して、どちらからともなくにこりと笑う。おかえり、響さん。ただいまー。言いながら響はもう一度ファルセットの胸元に顔を埋めて額をこすり付ける。奇異の視線がいくつも響のからだをかすめたが、響は全く頓着しなかった。ファルセットにも同じものは注がれていたはずだが、顔を上げたときに見たファルセットの顔は、そんなものをちっとも気にしていなかったからだ。響は嬉しくなる。嬉しくてたまらなくなって、またファルセットにぎゅうぎゅうと抱きつく。
ほんとに迎えに来てくれるなんて思ってなかった。ファルセットはいつもの、なんだかぞろっとした格好ではなく、ピンク色を基調とした動きやすそうな服を着ていた。この前約束しましたからね。その言葉を聞きながら、スリムなボトムスに包まれたファルセットの涼しげな足元を見る。その隣に、爪先の少し剥げたくたびれ気味だが溌剌としたローファーが並んで歩いているのも、一緒に。響さんのお迎えのついでにお買い物に行こうかと。じゃーん、と取り出したがま口を見て響は目を輝かせた。わたしも一緒に行きたい!もちろん。ファルセットは見るからに快く頷く。わたしたち食い道楽なので、と、以前ファルセットが楽しそうに言っていたのを思い出した。ファルセットたちと一緒にごはん食べたいなぁ。今日は父の帰りが遅い。がらんとした食卓を思い出して少しうつむくと、ファルセットの手がそっと髪の毛を撫でた。こういうときになにも言わないのが、彼のいいところだと響は知っている。
夕飯時をいくらか後ろに控えたスーパーには人が溢れていた。今日は響さんにも手伝ってもらいますよ!ふん、と腕をまくるファルセットに、響は目を輝かせてうんうんと頷いた。がま口から取り出したメモを手渡し、ファルセットはのんびりとした顔に珍しく気合いをみなぎらせてかごを取った。ファルセットの手の中にも自分のと同じようなメモがあることに気づき、響の顔にたちまち喜びが広がる。わざわざふたりぶん用意してくれていた。(でもそんなに必死なんてなんだかおかしくて笑ってしまう。)その期待に応えようと響はそれはそれははりきってスーパー中を走り回った。ひとり一パックの卵をさらい、トイレットペーパーを下げ、サラダ油を掴んでひき肉のパックに手を伸ばす。本当は商店街で買った方が楽なんですけど、とファルセットは言っていた。スーパーもなかなか修行になるのです、と。おばちゃんたちは本当に強い。必死に腕を伸ばして白菜を引き寄せたときには、響は汗だくになっていた。
ふと後ろを見ると、よれよれになったファルセットが近づいてくるところだった。大収穫の響を見て、ありがとうございます、とふにゃりと笑った。響さん、なかなかやりますね。その言葉に響はへへーん、と胸を張った。会計を済ませて外に出て荷づくりをし、いつの間に買ったやら季節外れの焼きいもを半分に分けた。なんだかわたしたち食べてばっかりだね。そう言うと、ファルセットは少し考えるような仕草をして、平和でいいことじゃないですか、と応えた。響は頷く。本当は、食べてばっかり、なんかではない。わかっている。ちゃんとわかっている。重い荷物を半分持とうと申し出たら、大丈夫ですよ、とファルセットは笑った。そして、寂しげな響を覗き込むようにする。ハミィが待ってるんじゃないですか。労るとも諭すともつかない、ファルセットの声は、ただ優しい。だから思いきり手を振った。いつか、なんて曖昧な言葉では、決して濁すことをしない。それが彼のいいところだと響は知っている。
ヒー・トート・ミー、トート・ミー
スイプリ。響とファルセット。
ほんとに迎えに来てくれるなんて思ってなかった。ファルセットはいつもの、なんだかぞろっとした格好ではなく、ピンク色を基調とした動きやすそうな服を着ていた。この前約束しましたからね。その言葉を聞きながら、スリムなボトムスに包まれたファルセットの涼しげな足元を見る。その隣に、爪先の少し剥げたくたびれ気味だが溌剌としたローファーが並んで歩いているのも、一緒に。響さんのお迎えのついでにお買い物に行こうかと。じゃーん、と取り出したがま口を見て響は目を輝かせた。わたしも一緒に行きたい!もちろん。ファルセットは見るからに快く頷く。わたしたち食い道楽なので、と、以前ファルセットが楽しそうに言っていたのを思い出した。ファルセットたちと一緒にごはん食べたいなぁ。今日は父の帰りが遅い。がらんとした食卓を思い出して少しうつむくと、ファルセットの手がそっと髪の毛を撫でた。こういうときになにも言わないのが、彼のいいところだと響は知っている。
夕飯時をいくらか後ろに控えたスーパーには人が溢れていた。今日は響さんにも手伝ってもらいますよ!ふん、と腕をまくるファルセットに、響は目を輝かせてうんうんと頷いた。がま口から取り出したメモを手渡し、ファルセットはのんびりとした顔に珍しく気合いをみなぎらせてかごを取った。ファルセットの手の中にも自分のと同じようなメモがあることに気づき、響の顔にたちまち喜びが広がる。わざわざふたりぶん用意してくれていた。(でもそんなに必死なんてなんだかおかしくて笑ってしまう。)その期待に応えようと響はそれはそれははりきってスーパー中を走り回った。ひとり一パックの卵をさらい、トイレットペーパーを下げ、サラダ油を掴んでひき肉のパックに手を伸ばす。本当は商店街で買った方が楽なんですけど、とファルセットは言っていた。スーパーもなかなか修行になるのです、と。おばちゃんたちは本当に強い。必死に腕を伸ばして白菜を引き寄せたときには、響は汗だくになっていた。
ふと後ろを見ると、よれよれになったファルセットが近づいてくるところだった。大収穫の響を見て、ありがとうございます、とふにゃりと笑った。響さん、なかなかやりますね。その言葉に響はへへーん、と胸を張った。会計を済ませて外に出て荷づくりをし、いつの間に買ったやら季節外れの焼きいもを半分に分けた。なんだかわたしたち食べてばっかりだね。そう言うと、ファルセットは少し考えるような仕草をして、平和でいいことじゃないですか、と応えた。響は頷く。本当は、食べてばっかり、なんかではない。わかっている。ちゃんとわかっている。重い荷物を半分持とうと申し出たら、大丈夫ですよ、とファルセットは笑った。そして、寂しげな響を覗き込むようにする。ハミィが待ってるんじゃないですか。労るとも諭すともつかない、ファルセットの声は、ただ優しい。だから思いきり手を振った。いつか、なんて曖昧な言葉では、決して濁すことをしない。それが彼のいいところだと響は知っている。
ヒー・トート・ミー、トート・ミー
スイプリ。響とファルセット。
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