ダンガンロンパ他二次創作ブログ。
ごった煮で姉妹とか男女とか愛。
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惹かれた、というほど、惹かれたわけではない。それだけは正しい。今まではロングヘアでまつ毛がバシバシでおっぱいが大きくてミニスカートが似合う、とびきりかわいくて愛情深い、ような相手にばかり熱を上げた。そういう相手だっていないわけじゃない。いや、そういう相手はたくさんいる。テレビやグラビアからそのまま抜け出したナマの肉体で、手の届きそうな近くに。そういう相手には、据え膳食わぬはなんとやらと思いきりかぶりつくのが今までのやり方だったわけで、それをやめてしまったわけではないのに不思議と手を出しあぐねているのは、あれらも尋常じゃないなにがしかであると本能が嗅ぎ取った産物であるのかもしれない。未だ燠のごと燻る、ここ一番ではけして負けることのない勝負師としての本能である。据え膳食わぬはなんとやら、ではあるが、危うきに近寄らないのが君子でもある。だもんで(、というのは彼の好む言い回しだ)、敗け知らずの桑田怜恩とはいえ、ままならぬ事情があるのだ、と結ぶ。
惹かれた、というほど惹かれたわけではない。断じて。そばかすの乗った小さな鼻を窓の方に向けて沈黙している戦刃の、黒く短い髪の毛を下から上に視線でなぞる。戦刃の黒髪は、短い、というよりも、潔い、と言った方が近い気がする。飾り気に乏しすぎて、清潔感よりも無造作が先に立つような少女だ。戦刃むくろはなにをするにしても躊躇なく、よどみなく、流れるようで、潔い。躊躇なく駆け出し、よどみなく歩き、流れるように文字を書き、赤点だって潔く取る。盾子ちゃんにバカだって言われるからとけなげに図書室にこもるも、数分で目を開けたまま寝てしまうような戦刃むくろである。あたまはよくないと彼女自身も言っていたし、真実そうなのだろうといっそ同情にも近いような気持ちで同病相憐れむ、のが、今のところの桑田と戦刃のほとんど唯一の接点と言える。ノートにのたくったみみずの他は真っ白いままのそれを見て、ため息をつく。惹かれたわけではない。断じて。それだけは正しい。
戦刃のしろくて小さな鼻は、粘土で作ったトルソオの、顔のまん中を少しだけつまんで作ったような形をしていて、そこが気に入っていると言えば、まあ、そうなのだろう。あとはそこらにごろごろしているのと代わり映えのしない地味なJKだ。飾り気に乏しい、地味で、無造作な、戦刃むくろ。戦刃が誰かに話しかけたり、誰かと親しくしていたりする姿を見かけたことはなかった。たぶん、誰も。ときどき彼女の最愛の妹に話しかけては邪険にされている。戦刃っちはそういう性癖なんだべとしかつめらしい葉隠にどうということもなく、そういうってどういう、と無造作に返したりする。だから、そういう。ああ、そういう。めんどくさいから大雑把に返そうという意思だけが読み取れる。三人寄れども同じ穴のむじなである。なんとはなしに葉隠の太ももを蹴った。いてえ。田ッチ、いてえべ。戦刃にはなにも言わなかった。別に、そういう性癖でも構わないと思ったのだけれど。言わなくてもよいことくらい、桑田にだってわかっている。
戦刃、と呼ぶと、戦刃は振り向く。無造作に、よどみなく。うすいまぶたがまばたきをした。そういう性癖なのだとしたら。言わなくてもよい上にしなくてもよい妄想がみみずのように脳をのたくる。それはやはり嬉しくないのだろうか。嬉しくもなんともないことなのだろうか。戦刃。飾り気のないしろい顔が一瞬さわと波打った気がした。桑田は手を伸ばす。手を伸ばして、戦刃の鼻をつまむ。粘土で作ったトルソオの、顔のまん中を持ち上げるように。戦刃は黙っていた。黙って、桑田にされるがままになっていた。そばかすの乗った小さな鼻が、指の間で静かに固まっている。嬉しくもなんともないことだ。わかっている。笑おうとして、笑えなかった。そういう性癖だっていいのだ。届かないならば、おんなじじゃないか。苦しいよ、と戦刃は呟いた。思い出したように、桑田、と呼ばわう。桑田はそっと指を離した。変な女。口には出さない。言わなくてもよいことくらい、桑田にだってわかっている。戦刃のまばらなまつ毛が雨のようにまたたくのを見た。惹かれたわけではない。断じて。
さ、乱れ
桑田とむくろ。
惹かれた、というほど惹かれたわけではない。断じて。そばかすの乗った小さな鼻を窓の方に向けて沈黙している戦刃の、黒く短い髪の毛を下から上に視線でなぞる。戦刃の黒髪は、短い、というよりも、潔い、と言った方が近い気がする。飾り気に乏しすぎて、清潔感よりも無造作が先に立つような少女だ。戦刃むくろはなにをするにしても躊躇なく、よどみなく、流れるようで、潔い。躊躇なく駆け出し、よどみなく歩き、流れるように文字を書き、赤点だって潔く取る。盾子ちゃんにバカだって言われるからとけなげに図書室にこもるも、数分で目を開けたまま寝てしまうような戦刃むくろである。あたまはよくないと彼女自身も言っていたし、真実そうなのだろうといっそ同情にも近いような気持ちで同病相憐れむ、のが、今のところの桑田と戦刃のほとんど唯一の接点と言える。ノートにのたくったみみずの他は真っ白いままのそれを見て、ため息をつく。惹かれたわけではない。断じて。それだけは正しい。
戦刃のしろくて小さな鼻は、粘土で作ったトルソオの、顔のまん中を少しだけつまんで作ったような形をしていて、そこが気に入っていると言えば、まあ、そうなのだろう。あとはそこらにごろごろしているのと代わり映えのしない地味なJKだ。飾り気に乏しい、地味で、無造作な、戦刃むくろ。戦刃が誰かに話しかけたり、誰かと親しくしていたりする姿を見かけたことはなかった。たぶん、誰も。ときどき彼女の最愛の妹に話しかけては邪険にされている。戦刃っちはそういう性癖なんだべとしかつめらしい葉隠にどうということもなく、そういうってどういう、と無造作に返したりする。だから、そういう。ああ、そういう。めんどくさいから大雑把に返そうという意思だけが読み取れる。三人寄れども同じ穴のむじなである。なんとはなしに葉隠の太ももを蹴った。いてえ。田ッチ、いてえべ。戦刃にはなにも言わなかった。別に、そういう性癖でも構わないと思ったのだけれど。言わなくてもよいことくらい、桑田にだってわかっている。
戦刃、と呼ぶと、戦刃は振り向く。無造作に、よどみなく。うすいまぶたがまばたきをした。そういう性癖なのだとしたら。言わなくてもよい上にしなくてもよい妄想がみみずのように脳をのたくる。それはやはり嬉しくないのだろうか。嬉しくもなんともないことなのだろうか。戦刃。飾り気のないしろい顔が一瞬さわと波打った気がした。桑田は手を伸ばす。手を伸ばして、戦刃の鼻をつまむ。粘土で作ったトルソオの、顔のまん中を持ち上げるように。戦刃は黙っていた。黙って、桑田にされるがままになっていた。そばかすの乗った小さな鼻が、指の間で静かに固まっている。嬉しくもなんともないことだ。わかっている。笑おうとして、笑えなかった。そういう性癖だっていいのだ。届かないならば、おんなじじゃないか。苦しいよ、と戦刃は呟いた。思い出したように、桑田、と呼ばわう。桑田はそっと指を離した。変な女。口には出さない。言わなくてもよいことくらい、桑田にだってわかっている。戦刃のまばらなまつ毛が雨のようにまたたくのを見た。惹かれたわけではない。断じて。
さ、乱れ
桑田とむくろ。
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